2013年1月12日土曜日

尖閣問題:ロシアに助けを求める中国の不安

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 尖閣問題は
①.中国外務省に尖閣諸島は沖縄に所属する、という文書があること
②.日本がこれまで有効に実効支配していること
からして、国際的には日本の施政権下にあるものと認められる。
 これは、国際ルールとして世界が承認する可能性が大きい。

 よって、中国が尖閣を「自国の領土だ」と主張することは、単に「歴史的にそうだったから」、という曖昧な裏付けしかなくなっている。

 とすれば、中国の尖閣問題における行動は他国侵略の様相を呈してしまい、
 論理性のない中国の強引さだけが世界に発信され、中国の独善的危険性が世界をおおいつつあることは確かなようである。
 そのため、各国は中国と一線を画すようになってきている。
 アジアで中国に手をあげるのは、北朝鮮、カンボジア、パキスタンあたりであろう。
 これでは中国としては孤立するしかない。
 そこで、ロシアの抱き込みに入る道を選んだ、ということであろう。
 ロシアはおそらく、対アメリカ政策から中国支持を表明するか、対日本から明言を避けるという、態度のどちらかであろう。
 ロシアの外交はしたたかである。
 この中国の歩み寄りから、いかに利益を引き出すか、それを狙ってくるだろう。
 四面楚歌状態に落ちっている中国としては、ノドから手が出るほどにどうしてもロシアの賛同が欲しい。
 中国とロシアの裏取引が活発になるだろう。
 尖閣問題で最も利益をあげる国は、もしかしたらロシアかもしれない。
 そして同時に、もっとも損失を受ける国は中国になるかもしれない。
 「中国、ロシアにしてやられる」という可能性は充分にある。


サーチナニュース 2013/01/11(金) 11:01
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0111&f=politics_0111_005.shtml

中国、ロシアとの協力関係強化に意欲…尖閣問題で支持求め

  第8回中ロ戦略的安全保障対話が9日、北京で開かれた。
 米国の中国語ニュースサイト・多維新聞網は同日、
 「同対話が前倒しで開かれたのは、日中関係が緊張を増すなか、中国が尖閣など対日問題でロシアの支持を求めるため」
との分析を伝えた

  中ロ戦略的安全保障対話は2005年に始まった。
 中国とロシア両政府の年1度の外交活動として、第6回対話は11年10月に北京で、第7回対話は12年8月にモスクワでそれぞれ開かれた。

  観測筋は、例年下半期に開かれる同対話が今回年始に前倒しされた背景には、かつてない緊張状態の日中関係があるとみている。
 安倍晋三内閣が発足して、
 外交上の「中国包囲網」が急速に築かれようとしている
からだ。

  朴槿恵(パク・クネ)氏が韓国の大統領に当選したとき、胡錦濤国家主席と習近平総書記は祝電を送ったが、安倍氏には何の反応も示さなかった。
 安倍氏が日本の首相に就任しても、中国の温家宝首相は祝電を送らなかった。
 中国が安倍政権の発足時から「付き合わない」
というポーズを取るのは、かつての小泉政権への態度と同じだ。

  尖閣諸島(中国名・釣魚島)問題について、日本の小野寺五典防衛相は8日、米国のパネッタ国防長官と電話会談を行い、日米が連携して対応していくことで一致した。

  尖閣情勢が悪化してからの中国の次の構想はおそらく、第二次世界大戦後の国際条約によって規定された国際秩序を再確認し、国際的な道理という観点から再構築して、
 「戦勝国」の資格で尖閣諸島を奪い返そう
というものだ。

  中国外交部(外務省)の公式サイトによると、今年1月9日に開かれた中ロ戦略的安全保障対話では、戴秉国国務委員(外交担当)とバトルシェフ・ロシア連邦安全保障会議書記が、中ロ関係および目下の国際・地域情勢について突っ込んだ意見交換を行った。

  注目に値するのは、その前日の8日に、中国共産党の習近平総書記が、訪中したパトルシェフ氏と人民大会堂で会談したことだ。

  両国の首脳である胡錦濤、メドベージェフ、プーチン各氏が相手方の代表とわざわざ会見したことは、2度の例外を除いてこれまでなかった。
 3氏が各党トップの肩書でこの外交活動に参加したことは1度もない。
 習総書記は3月に国家主席になる予定だから、これは総書記ではなく次期国家主席として、対ロ政策の方向性を表明したものだ。

  習総書記は
 「中ロの戦略的協力パートナーシップ関係を揺るぎなく全面的に発展させることが、中国外交の優先する方向だ
と述べ、両国の協力関係を強化する考えを示した。

  さらにもっと直接的に、
 「政治分野での相互支持を強化」し、
 「国際および地域問題での協調を深めるべき」
だと提起した。

  中ロ戦略的安全保障対話の中で、両国の戦略的協調という文言がみられるのは珍しいことではない。
 それでも習総書記が直接
 「中ロの政治分野での相互支持の強化」
を持ち出したのは初めてだ。

  中国は明らかにロシアに国家の安全保障上の支持を求めている。
 いま周囲で喫緊の課題は日中関係だから、
 習総書記は明らかに対日問題でロシアの支持を求めたのだ。




中国戦闘機、スタンバイへ


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