2013年1月25日金曜日

人民解放軍は共産党の指示に従え:解放軍の中国乗っ取り防止


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●22日、空軍上将で作家でもある劉亜洲氏は、香港でこのほど出版した著書の中で、「政治体制の改革は失敗が許されず成功しかない。政治体制の改革では民主化がカギであり、とりわけ党内の民主化が重要」と指摘している。写真は海南省海口市にある改革に関する宣伝。


 下の記事を素直に読むと、中国の腰が完全に引けているという姿があらわれてくる。
 当局は
 「戦争をやりたがっていない」
となる。
 その理屈を並べているに過ぎない。
 それはそれで政治的な判断でいいのだが、問題はしかし、
 それで解放軍が納得するか
であろうか、ということである。


レコードチャイナ 配信日時:2013年1月24日 20時20分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=68776&type=0

<尖閣問題>
軍事衝突前に考慮すべき事後の問題、軍人には回答不能―中国メディア

 2013年1月22日、新華社通信は、尖閣問題により軍事衝突が発生する可能性が高まっているが、中国はそれ以前にその目的や効果、どんな問題が起きるかなどを十分考慮すべきだと指摘した。
 ただし、これらの問題は
 軍人が答えられるものではなく、
政治家や戦略家が一丸となって考える必要があるという。

 軍事衝突がいつ発生しても不思議でない程度にまで日中間の緊張が高まっている。
 各方面からの状況を考え合わせると、両国ともに
 突発的な衝突に対する考えや行動の準備を終えている
とさえ見受けられる。
 ただ、この衝突の戦略的な目標は一体何なのだろうか?
 衝突が起こった場合、軍事的意義と戦略的意義のどちらが大きいのだろう?

 軍事的意義が大きいとすれば、軍事行動の最終結果は軍事面のみにとどまる可能性が高く、
 中国が勝っても負けても、中国の将来に有利な戦略的局面をもたらさず、マイナスの影響を与える可能性すらある。

 この問題を考える前に、1979年の中越戦争の戦略的意義を回顧する必要がある。
 当時、米国とソ連(現在のロシア)が覇権を争っており、ソ連を敵視していた中国は米国側に立ち、ベトナムをソ連の手先と見ていた。

 この戦いにおいて中国は、
1].文化大革命による内乱の後の国民の気持ちを1つにまとめた効果。
2].トウ小平の共産党内での威望を確立した効果。
 して最も重要な、
3].背後のソ連に打撃を与えるとともに、米国をリーダーとする西側世界との融合の端緒をつかみ、1979~89年の10年間の改革開放の成功へとつなげた効果
――を得て、事実上、軍事的意義は二次的なものだった。

 しかし、中国が現在直面している国際的な局面は当時とはまったく異なり、事実上、
 中国と米国が対峙する状況
になっている。
 この状況下で、多くの国が米中両国間でバランスを保とうとしている。

 従って、尖閣問題に関して軍事行動が必須の選択であるならば
 中国が考慮すべき問題はその最終結果は
 中国により多くの局面を打開する手助けになるのか?
 それとも、中国の未来にとってさらなる困難をもたらすのか?
である。

 近年、中国の周辺では安全に対する様々な脅威が満ちあふれている。
 軍事衝突が注目を集める背景には、経済の発展によって発展を遂げた中国はそれなりの実力と実力の背後にある意志を示すべきであるとの人々の焦りがある。
 同時に、軍事行動という強硬な態度によって見せしめの効果を挙げる狙いもある。

 ただし、この軍事行動の本当の対象は一体誰なのか?
 これによってどんな局面が出現するのか?
 将来の新しい戦略や局面は中国をどんな方向へ向かわせるのか?
など、軍事行動を開始する前にすべての事柄について考慮しなければならない。
 そして、こうした問題は軍人が答えられるものではなく
 中国の戦略家や政治家、エリート全員で考えるべきだ。


 これ、共産党の人民解放軍への牽制だろうか。
 軍人には社会、世界、経済などの情勢を見極める素質はない、よって共産党の指示に従え、と言うところのものだろう。
 尖閣問題ではあきらかに中国の負けが見えてきている。
 そこで浮上してくるのが2つある。
①.当局を弱腰と非難する社会不満の高まり
②.戦争をやりたがっている解放軍の共産党コントロールからの離脱

 日本では自衛隊が政治発言をすることは絶対にないのだが、どういうわけか人民解放軍では共産党とは別にラッパを吹いている。
 当然その内容は解放軍は「日本軍を圧倒的に殲滅する」だろうというたぐいの煽りになる。
 共産党と解放軍が同じ方向ならいいが、今回のように共産党は鉾をおさめようとしてい状況ではこの2つはぶつからざるを得ない。
 共産党としては何とか解放軍を制御していかねばならない。
 その一つの表れがこの記事で、
 「軍人には問題の全体像が見えていない」
という警告になる。
 しかし、こういう警告をくらって、解放軍は「はいそうですか」と黙っているだろうか。
 

 例えば、下の記事など空軍大将があからさまに共産党を批判している。

レコードチャイナ 配信日時:2013年1月25日 7時36分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=68717&type=0

<中華ボイス>
政治体制の改革は失敗が許されない!
カギは党内の民主化―中国空軍上将

 2013年1月22日、中国は習近平(シー・ジンピン)政権発足以来、汚職や腐敗撲滅に力を入れている。
 2012年12月に米華字メディア・多維新聞が伝えたところによると、知識人の多くは習近平氏を指導者とする新たな指導部に対して一定の期待感を持っているが、政治改革が断行できるかどうかはいまだ不透明のままとなっている。

 空軍上将(日本の大将に相当)で作家でもある劉亜洲(リウ・ヤージョウ)氏は、香港でこのほど出版した著書の中で、
 「政治体制の改革は失敗が許されず成功しかない。
 中国の発展はこの改革にかかっている。
 政治体制の改革では民主化がカギであり、とりわけ党内の民主化が重要」
と指摘している。


 あきらかに、政治世界へ軍事が口出ししている。
 果たしてこれでいいのだろうか
 中国の不安はもしかして、解放軍の中国乗っ取りにまで進展するのだろうか。
 可能性としてはないこともないが。
 「考えられることは起こりうること」
というのが、最近のキーワードでさらには、
 「考えられないことも起る」
とまで進んでいる。
 なにがあってもおかしくない状況に中国は進んでいくのだろうか。
 もしかしたら、解放軍の中国乗っ取りは影で動いているのかもしれない




中国戦闘機、スタンバイへ


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