2013年1月27日日曜日

袋小路に落ち込んでしまった中国:いまさら「尖閣問題だけが日中関係ではない」と言われても

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●25日、米華字ニュースサイト・多維網は記事「習近平、最後になって山口那津男代表と会見=中国は強い力を持っているが強硬ではない」を掲載した。写真は人民大会堂。


レコードチャイナ 配信日時:2013年1月27日 8時24分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=68868&type=0

なぜ習近平総書記は安倍晋三首相の親書を受け取ったのか?―米華字メディア

 2013年1月25日、米華字ニュースサイト・多維網は記事
 「習近平、最後になって山口那津男代表と会見
 =中国は強い力を持っているが強硬ではない
を掲載した。

 25日午前10時、習近平(シー・ジンピン)総書記は人民大会堂で公明党の山口那津男代表と会見。
 安倍晋三首相の親書も受け取り、日中首脳会談の開催に前向きな姿勢まで示した。
 会見そのものは決まっていたが、習書記自らが応対すると日本側に通達されたのは1時間半前だったという。

 実際、今回は習書記との会見は実現しないだろうと予測する人も多かった。
 山口代表訪中後も、安倍首相は尖閣問題で交渉はできないと強硬姿勢を繰り返していたが、なぜ習書記は会見に応じ、親書を受け取ったのだろうか。

多維網は次のように分析している。

 尖閣問題がここまで悪化したのはすべて日本側の責任である。
 中国は尖閣諸島近海における権利維持行動を続けながらも冷静な対応をとり、衝突を回避してきた。
 安倍首相の親書に譲歩する内容がなくたんに日中友好の大局のみが書かれていたとしても、中国は交流を排除する必要はない。
 なぜならば交流こそ中国が常に呼びかけてきたものだからだ。

 安倍首相も日中友好をなんども呼びかけているが、それはパフォーマンスにすぎないとの嫌疑もある。
 しかしもし中国が応じなければ、世界は中国が協調しなかったからこそ日中関係はここまで悪化したのだと思うだろう。
 よって中国も山口代表と会い、日中友好の大原則を説く必要があった。
 中国の立場さえ不変であれば、たとえ日中首脳会談が実現したとしても、中国が尖閣の領有権を放棄したことにはならない。


 「責任は日本にあり、中国は正しい」
と言い続けている限りは見通しは立たない。
 そんな袋小路に落ち込んでしまったのが中国である。
 いかにこの袋小路を抜け出すかであるが?
 小さな穴から手を突っ込んで向こうのリンゴを採ったはいいが、リンゴを握っているかぎりは手は抜けない、手を抜くには掴んだリンゴを放さないといけない、そんな局面に中国は置かれている。
 あと3,4ケ月もするとデモのシーズンに入っていく。
 真っ先に弱腰の共産党はヤリ玉に上がる。
 尖閣でのガス抜きはできなくなり、逆にガスを溜め込んだだけになってしまっている。
 立ちすくんでいるだけでは見通しはたたない。
 どこかで何かのイベントを立ち上げないといけない。
 それは何か。

通常、事を行おうとするときは、成功した時、失敗した時、どちらでもない時と少なくとも最低で3のモデルを立ててシュミレーションをする。
 そして、どの状態になっても対応できるように様々な予備対策を立てておく。
 ところが、共産党は成功したときの状態をシュミレートして、それに自己満足してしまい、そうなるはずだ、それ以外になりようがない、なぜならそれが正しいからだ、という風に理性的な判断を失って自己陶酔に浸ってしまう。
 結果、それと違ったときどうすべきかがわからなくなってしまう。
 国内問題なら強権でこれが正しいという方向にもっていけるが、対外問題ではそうはいかない。
 なぜなら、対外的な相手は別の論理判断で動いているからだ。
 「中国の正しさ自体が間違い」
という考え方をされてしまっては、もう立ちすくむしかなくなる。
 残された道は、正しさを力で決着するしかなくなる。
 「勝ったヤツが正しい」と。
 さて、これから尖閣問題を中国はどう扱っていくのだろうか。


レコードチャイナ 配信日時:2013年1月27日 11時12分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=68869&type=0

尖閣問題だけが日中関係ではない、
ナショナリズムを煽ってはならないと専門家―中国

 なぜ習近平総書記は安倍晋三首相の親書を受け取ったのか?
―米華字メディアについて、専門家の論評を伝えた。

 25日午前、習近平(シー・ジンピン)総書記は山口那津男代表と会見。
 安倍晋三首相の親書を受け取り、日中首脳会談にも前向きな姿勢を見せた。
 日中の対立が続いていたなかで、習書記のこの姿勢は何を示しているのか。

 清華大学当代国際関係研究院の劉江永(リウ・ジアンヨン)副院長は、習書記は会見によって日本市民及び国際社会に重要なメッセージと誠意を伝えたと評している。
 そのメッセージとは日中関係の発展を重視する大方針に変化はないという意味だと分析している。

 中国国際戦略研究基金会対外政策研究センターの張沱生(ジャン・トゥオション)主任は、日中関係が困難な状況になっても中国側は日中関係維持の基本方針を動揺させていないことを示したと評している。

 複数の専門家が一致しているのは日中関係は政治、経済、文化などさまざまな方面を含むもので、尖閣問題は日中関係のすべてではないという点。
 積極的な思考で二国間関係の改善に取り組み、国民感情の改善を図るべきで、ナショナリズムを扇動してはならないと発言している。
』 

 あれだけ尖閣問題を煽っておいて、今になって、
 「尖閣問題だけが日中関係ではない、ナショナリズムを煽ってはならない」
っていわれたって。
 どうする?
 「どうするって言われたって、どうする?」
 なんとか打開策を講じたい中国の気持ちもわかるが。
 そこまで卑屈になるなら、最初からやらなけりゃいいのに。
 それだけ中国も必死だということだろう。
 日本と外資に逃げられた中国というのは、考えただけでもゾッツとする。
 あっという間に経済は落ち込むだろう。
 世界の工場として輸出を増やして外貨を貯めこむことで成長してきたのである。
 その前提が崩れてくる。
 そうなると成長の恩恵を受けられなかった社会層の不満が爆発するかもしれない。
 このままいって、
 7月あるいは8月を迎えたとき、中国国内はどうなっているだろうか。
 嵐が荒れ狂っているだろうか。
 それとも公安武装警察が抑えこんでいるだろうか。
 尖閣に代替するターゲットをつかまえて、尖閣のときのように絶叫しているだろうか。
 東日本大津波以降、
 日本は「何があっても驚かない」体質になり、
 千年に一度のことも起こりうる、
と納得できるようになってしまった。
 尖閣程度の外圧では、あるいはその経済ダメージではほとんど驚かなくなってしまっている。




中国戦闘機、スタンバイへ


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