2013年1月26日土曜日

「最高の国家利益は釣魚島にあらず」:「メンツある敗退」の理由づけに腐心



●24日、英フィナンシャル・タイムズ(中国語電子版)は「中国の発展は領土の拡張に頼るものではなく、人間の道徳の回復と制度の改良によるべきだ」と呼びかけた。写真は杭州の帰省ラッシュ。


レコードチャイナ 配信日時:2013年1月26日 11時5分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=68836&type=0 

「中国の最高国家利益は釣魚島にあらず、人と制度を改善せよ」―英メディア

 2013年1月24日、英フィナンシャル・タイムズ(中国語電子版)は
 「釣魚島(日本名・尖閣諸島)は中国最高の国家利益ではない」
と題する記事を掲載し、
 「中国の発展は領土の拡張に頼るものではなく、
 人間の道徳の回復と制度の改良によるべきだ」
と呼びかけた。
 以下はその概要。

 日中両国は1980年代以降、貿易相手として発展してきた。
 あなたが欧米メーカーの車を買ったとしても、ギアや主要部品の一部は日本製だ。 
 「では中国車を買う」といっても、国産車のエンジンは日本製だ。
 中国製電子機器も基幹部品や革新技術は日本のものだ。
 化粧品もiPhone(アイフォーン)もしかり。
 つまり日本製品を拒否することは、自らを傷つけることになるのだ。

 国家利益とはなんだろう。
 最終的には人間の上に実現されるべきものだ。
 中国の最高国家利益は空母でも国内総生産(GDP)の急成長でも、南シナ海や釣魚島でもなく、人や制度だ。
 道徳や制度が損なわれ、人間性が失われ、社会が後退すれば、誰かが領土をくれても守り切れないだろう。

 われわれは視点を変えるべきだ。
 中国の発展は領土の拡張ではなく、人の向上にある
 道徳の復興や制度の改良にある。
 中国は憲法が保障した人間の権利を守らなければならない。
 中でも最も重要なのは、
○.宗教と信仰、
○.思想と言論の自由、
○.政治に参加する権利
だ。
 これらの権利なしでは、憲法が定めた権利はただの紙切れになるだろう。


 でもそれは無理だろう。
 人間を動かすのは欲望だ第一だ。
 ほんのささやかな領土でも欲しいというのは、本能というものだ。
 そんなものいらないよ、というところまでいくには、長い歴史、すなわち時間がかかる。
 まして道徳や制度の改革などは中国にとってはほとんど見込みのない課題になってしまっている。


レコードチャイナ 配信日時:2013年1月27日 16時8分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=68881&type=0

 中国政府研究者
『強国=戦争に勝つ』は古い、
尖閣問題は話し合いで解決できる」―中国メディア

 2013年1月26日、中国新聞社(電子版)は、政府系シンクタンク・中国社会科学院の研究者、張ユン嶺(ジャン・ユンリン)氏による
 「尖閣諸島問題は話し合いによって解決できる」
とする意見を掲載した。

 この発言は26日に北京で開催された中国経済年会の席上でなされたもの。
 張研究員は
 「中国が強国になり戦争が起きるに違いないという見方があるが、それは古い考えだ。
 中国は共同利益という考えをもって争いを解決できる」
とした。
 また、尖閣諸島(中国名・釣魚島)問題は政治的解決ができる可能性が非常に高いと述べた。

 張研究員によれば、歴史的に解決が保留されてきた尖閣問題は、
 「半歩下がって一歩進む」
という可能性が出てきているという。
 半歩下がるというのはすなわち、
 日中双方が主権を保留すること、その上で一歩進むには、互いに協力しあうことが必要だ
とした。

 さらに張研究員は、大国としての力を発揮するためには周辺国家と新たな関係を形成することが非常に重要であると述べた。
 東アジア諸国にとっても中国の持続的発展はますます重要になってきている。
 このような相互依存関係にあって、中国は共同利益という考えを基礎に新しい協力関係を生み出すことができるとした。


 中国は「メンツある敗退」の理由づけに腐心している、
といった感じがある。
 昨年までの、恫喝口調が消えてしまっている。
 少々やるせなく見えるのだが、もうちょっと気張ってほしいものだと思う。
 「相手が手強いとみると、論調がガラリと変わる」
というのは中国の手法だが、あまりこういうのは国際的に信用されなくなる。





中国戦闘機、スタンバイへ


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