2013年1月24日木曜日

「日本よ、私を見捨てないで」シリーズ(2):軍事というパワーが使えないと極端に弱くなる

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 負けがわかっていて、それを繕うにはいろいろなみせかけが必要になる。
 これはその最たるもので、何をいいたのかさっぱりわからないように作文されている。
 こういうのが中国的論法なのだろう。
 無視してもなんら変わらないように書かれている。
 時間つぶしにしかならないのだが、こういうへんてこりんな文章もありうるというモデルみたいなものであろう。


レコードチャイナ 配信日時:2013年1月24日 9時52分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=68766&type=0

日本の「親書外交」、行動が伴ってこそ意味がある―中国メディア編集者

 2013年1月23日、人民日報海外版コラム「望海楼」は、同紙編集者である楊凱(ヤン・カイ)氏が書いた日本の公明党・山口那津男代表の訪中に関するコラムを掲載した。

 連立与党リーダーの訪中は安倍晋三内閣発足後初だ。
 山口氏は釣魚島(日本名・尖閣諸島)で悪化した日中関係の改善を意図した安倍氏から習近平(シー・ジンピン)中共中央総書記への親書を携えている。

 友好を示す行動を中国はもちろん拒絶しない。
 だが、その背後に誠意があるのかどうかを見なければならない。
 釣魚島(尖閣諸島)問題における中国の立場は、もうこれ以上繰り返し強調する必要はない。
 中国の言動に法理や情理から逸脱したものは1つもなく、歴史的にはやや寛大に過ぎるくらいだ。
 中国の古くからの言葉に「誠を以て信に換える」と言う。
 もちろん、胸いっぱいの誠意を親書に取り換えるという意味ではなく、誠信が相互関係の基となるという意味だ。
 日本の首相は親書外交を愛用する。
 2012年8月末、まだ首相在任中の野田佳彦氏も胡錦濤(フー・ジンタオ)主席に親書を送り、友好を望むと言い、平和のスローガンを叫んだ。
 だが親書を書くのは簡単だが、信用を得るのは難しい。

 言葉を聞くだけでなく、行動を見なければならない。
 それから5カ月が過ぎ、野田氏はもう首相ではなくなった。
 彼らの誠意は一体どこにあるのか?
 中国人の目には見えないし、正直な日本人にも恐らく見えないだろう。

 釣魚島(尖閣諸島)問題において日本には一体誠意があるのか?
 現状を見ると、まだない。
 安倍親書の情報が流れると日本のネットユーザーからは
 「首相は中国に急いで日本と喧嘩するよう頼んだのに違いない」といった反応が少なからず見られた。
 もちろん、日本の国土は大きくないが、人口は少なくなく、1 億人の意見を統一して首相と共に平和的解決の道を追求させるのも難しいことだ。
 首相の親書について「意に介さなくてもいい。
 戦争を本当に引き起こしたい人がいたとしても、中国人の善意から推測して、主流ではないはずだ」
とからかう声もある。
 だが首相閣下は
 「平和的解決」のためにどう準備をするというのか?
 安倍氏は中国への親書を人に託しはしたが、最近中国周辺国を慌ただしく訪問して回り、あちこちで「腹を割った話し合い」
をしている。
 2月には米国も訪問する。誰に焦点を定め、誰を「包囲」するために、接近して引き込む技を使っているのか?
 答えは誰もが知っている。
 効果の有無や大きさはまだ観察が必要だ。
 ただ、この休む間もない慌ただしい訪問活動のために、この親書からはどう見ても「時間稼ぎ策」の墨跡が透けて見える。
 もう少しはっきりした後押しと、もう少し多くの軍事的助けがあれば、この親書は書こうと書くまいとどちらでもよいのではないのか?

 「兵は詭道なり」。
 日本人は中国兵法を学ぶのが好きだ。
 学んだことを大国間の角逐に何が何でも役立てようとするのも構わない。
 だが日本は大きな情勢、大きな構造に対していつも誤った戦略判断をする。
 たとえ戦国の「軍神」山本勘助や上杉謙信を現代に招請したとしても、こうした愚かな政策決定者のために義のない戦で犬死にすることを免れがたいだろう。

 こうした誤った判断について、中国が指摘したことも一度や二度ではない。
 釣魚島(尖閣諸島)は中国の領土であり、中国は領土主権を守らなければならない。
 これは原則問題だ。
 この原則的問題において考えをめぐらし、知恵を絞った結果、日本が圧力を加えれば中国側の譲れぬ一線はいつでも調整できると考えるのは、幻想というほかない。
 日本は米国に対しても多くの幻想を抱いている。
 最近のクリントン氏の
 「日本の施政権を破壊するいかなる一方的行動にも反対する」
との発言は確かに日本を勇気づけはしたが、本当に偶発的武力衝突が起きた後に、米国人が必ず後ろから砲弾を渡してくれ、さらには前に出て銃弾を遮ってくれると考えるのは、これはもう幼稚園レベルの判断だ。
 数人の政治屋が自己満足の空疎な発言を叩くのは構わないが、庶民の生命と財産を弄んではならない。
 アジアの国を同盟に引き込もうとすることについては、植民地支配者としての日本の歴史的イメージからも、現実的利益への考慮からも、安倍氏の働きかけの効果には大きな疑問符がつくはずだ。

 もちろん、親書がしたためられ、それを携えた人も来て、対話と協議によって釣魚島(尖閣諸島)問題を解決するのは悪いことではない。
 肝心なのは親書ではなく、国際関係の問題の処理における誠意と信用だ。
 中国人の目から見ると、日本はこの面で深刻なマイナス状態にある。
 この親書は日中関係の氷を砕くスタートになり得るし、何にもならない可能性もある。
 安倍政権がどのような行動によって、この親書の歴史的位置づけを論証するかを見なければならない。
(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/内山)


 「負け」を認めたくないという心理は分かる。
 それをただ字数で補おうとすると、大変である。
 弁論術なら雰囲気があるが、文章だと論旨が先行する。
 わからなくなると、本当にわからなくなる。
 「負け」をどう言いくるめて回避するかである。
 相手は「勝った」と思っている。
 とするとこれは自分に「負けを納得させる文」ということにもなる。

 軍事というパワーが使えなくなると極端に弱くなるものだ。
 それをどう補って、心の安定を取り戻すかである。


 なにか、当局は昨年あたりとちがって極度に軍事力行使の言説を封じ込めようとしている。
 おそらくそうする必要が大きくあるのだろう。

サーチナニュース 2013/01/24(木) 13:50 
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0124&f=national_0124_015.shtml

【中国ブログ】日本と開戦せよと興奮…冷静に諭した理由

  中国人男性の「信海光」さんは毎日、タクシーで出勤しているそうだ。
 タクシーの運転手は典型的な北京人らしく、軍事や国家の大局を論じることが好きだそうで、
 「日本と開戦して釣魚島(尖閣諸島の中国側呼称)を取り戻すべき」
と興奮しながら話したという。
 筆者は運転手に対して冷静に考えるよう諭したそうだが、なぜ冷静になるべきなのか、その理由をブログにつづった。

  日中が開戦すれば必ず「勝つ」、「負ける」、「引き分ける」のいずれかの結果となる

①.仮に中国が負ければどうなるだろうか。
 筆者は、
 「この数年、中国の社会には数多くの不安定要素があり、もしも日本に負けるようなことがあれば民衆は怒りに燃え、中国の政権基盤は危うくなるだろう」
と指摘、小さな島のためにここまで危険を冒す必要はないと結論を導いた。

②.では引き分けとなった場合はどうなるか。
 これは双方にとって敗北を意味すると指摘する筆者。
 開戦によって巨額の軍事費が必要となるほか、経済もダメージを受けることになるだろう。
  また、米国との関係も悪化し、数兆ドルにも達する対外債務も返済されないかもしれない。
 さらに経済制裁が課されるとすれば大変な事態になると分析し、
 「多大な犠牲を払って最後は引き分けとはまったく割に合わない」
と述べた。

③.もしも中国が勝利した場合はどうなるか。
 「釣魚島が中国のもとに返ってくるだけ」
と語る筆者は、
 「日本の本土に上陸するわけでもなければ、東京を占領することもない。
 ただ釣魚島が中国に戻ってくるだけ」
と述べ、手に入るのはわずかな面積の島だけと強調。

  筆者の持論に対し、タクシー運転手は納得できない様子で、目的地に到着したことで議論は終了となったようだが、筆者は開戦によって、いずれの結果となっても、中国には大きな得はないと考えているようだ。



 このような結果になることがわかっていて、中国共産党は尖閣問題を煽って大規模なデモを実行させた。
 ということは、そうすることに別の意味があったということだろう。
 おそらくは社会不満のガス抜き。
 しかし、あれから数ヶ月たって、結果は逆の方向へ進行している。
 もし、下手な結末で手をうてばこのタクシーの運ちゃんのように民衆は激怒し、共産党の弱腰を強く非難しはじめ騒乱に発達するかもしれない。
 最近、勝手に発言しはじめた人民解放軍は兵器というオモチャが使えなくなって苛立つだろう。
 経済的には外資はチャイナリスクが上昇し企業の逃げ出しが始まっている。
 いったい、これで中国に何の得があったのだろうか。

 おそらく客観的にみて、今回の中国政府の動きは失敗であり、
 様々な、つまり社会的、経済的、軍事的、外交的リスクを背負い込んでしまった、とみるのが妥当だろう。
 そのことは次に、国内的な社会不安を沸騰させるカギになりうる危険性をも孕んでしまったように見受けられる。





中国戦闘機、スタンバイへ


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